政治資金規正法では、国会議員が代表を務める資金管理団体や政治団体(これらを「国会議員関係団体」という)は、すべての支出(注1)について、領収書や明細書の確認(注2)を求めており、確認するのは、政治資金規正法で定められた登録政治資金監査人(注3)です。 |
(注1)すべての支出
国会議員関係団体は、すべての支出について領収書等の保存が義務付けられており、登録政治資金監査人が確認したのち、収支報告書を毎年、選挙管理委員会に提出する仕組みになっています。
(注2)領収書や明細書の確認
領収書や明細書の3要素は、「金額」、「日付」、「但し書き」であるとされ、すべての支出について3要素の記載があるかを、監査人が外形的・定型的に確認するのが「監査」です。
これは膨大かつ地道な作業です。
なお、領収書の存在を確認すれば、支出した内容が公職選挙法に違反した支出であるか否かの確認は監査の目的ではないとされています。これは政治活動の自由に配慮したものであり、公職選挙法等の関係法令に従っているかどうかなどの支出の妥当性は国会議員関係団体側がするものとされているためです。
(注3)登録政治資金監査人
登録政治資金監査人とは、弁護士、公認会計士又は税理士のうち、政治資金適正化委員会が行う研修を修了し、登録政治資金監査人名簿に登録を受けた者をいいます。
(政治資金規正法第19条の18、第19条の20)
なお、日本税理士会連合会によれば、登録を受けた登録政治資金監査人全体の7割以上を税理士が占めています。
(「登録政治資金監査人による政治資金監査のあり方に関する要望」令和6年3月26日:日本税理士会連合会)
■ 確定申告を受託している税理士による政治資金監査について ■
総務省の「政治資金監査に関するQ&A」より引用
Ⅱ-6 確定申告を受託している税理士による政治資金監査 Q 登録政治資金監査人が、税理士業務として、国会議員の所得税確定申告について受託している場合、当該国会議員に係る国会議員関係政治団体の政治資金監査を行うことは差し支えないか。 |
A 登録政治資金監査人又はその配偶者が国会議員に係る公職の候補者の確定申告について受託して いることは、当該候補者に係る国会議員関係政治団体に対する政治資金規正法上の業務制限に該 当しません。 ただし、当該候補者の確定申告を行っている場合は、当該候補者と経済的な利害関係を有している ことから、当該国会議員関係政治団体と直接の関係はないものの、政治資金監査に対する国民の高 い信頼を保つ観点から、政治資金監査を行うことは望ましくありません。 また、政治資金監査を行った登録政治資金監査人の氏名は政治資金監査報告書において明らかに なります。 |