役員賞与の金額の決定(実質基準と形式基準)

一般的に中小零細企業については、役員に対する賞与はタブーとされており、ほとんどの会社が毎月同額の支給をする「定期同額給与」によって役員の報酬を決定している。

さて、そんな中、社員と同様に夏季賞与・冬季賞与がほしくなる気持ちもあったり、利益が出ることを前提として決算賞与などを設定したくなるのも事実。

そんなことで、その賞与についての金額の決定方法についての紹介です。

基本的には年1回又は2、3回となるが、予め税務署に「事前確定届出給与に関する届出」を提出する必要があることが第一の条件である。

国税庁:[手続名]事前確定届出給与に関する届出https://www.nta.go.jp/taxes/tetsuzuki/shinsei/annai/hojin/annai/5104.htm


提出期限は下記のいずれか早い方
1.株主総会等の決議をした日から1月を経過する日
※3月決算法人が翌々月の20日(5月20日)に行っているのであればその1月を経過する日(6月19日)

2.事前確定届出給与に係る職務の執行を開始する日から1月を経過する日

そして支給額は「実質基準」又は「形式基準」によって算定する。

1.実質基準
・役員の職務の内容
  常勤の役員か否か
・会社の収益
  会社の収益から見て、支給できる状況にあるか否か
・使用人に対する給料の支給状況
  使用人と大差ない役員報酬を支給しているか否か
・事業規模が類似する同業他社の役員報酬の支給状況
  国税庁より発表される「税務統計からみた民間給与の実態」を参照すること
   参考URL:https://www.nta.go.jp/publication/statistics/kokuzeicho/minkan/toukei.htm#gaiyou

2.形式基準
株主総会当の決議(又は定款)により定めている報酬限度額以内となっていること
 定款に記載がなければ株主総会での決議が必須になります。

以上のことから、毎月同額の支給を受けている「定期同額給与」と別に「事前確定届出給与に関する届出」という形式の手続きを経て、役員にも賞与という形で支給することが可能です。

前述のとおり、ハードルはひくくはありませんので、必ず顧問税理士等の専門家に相談の上、手続き及び支給を検討ください。

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